Tバーロウのフォームイメージ
T-BAR ROW

Tバーロウ

背中(広背筋) 難易度:中級 🏋️ バーベル(オリンピックバー)
T-Bar Row

バーの片端を支点にして引き上げるロウ。背中の中央部に厚みを作る高重量種目です。

Tバーロウは、こう動かす

効く場所:広背筋・僧帽筋(あわせて働く:上腕二頭筋・脊柱起立筋)

動かす範囲:腕が伸びるまで下ろす 〜 みぞおちへ引く

外せない点:

  • 前傾の角度
  • 引く方向
  • 反動を使わない

やり方

ランドマイン器具か専用マシンで行います。どちらも無い場合は、ワンハンドダンベルロウなどで代えてください。ランドマインを使うときは、始める前にバーの端が器具の奥まで差し込まれているかを確かめます。

前傾の角度:股関節から45度前後。動作中はこの角度を変えません。

引く方向:ハンドルをみぞおちへ。肩甲骨を寄せながら、肘を後ろへ送って引きます。

反動を使わない:引きながら上体が起き上がるなら、その重さは今の姿勢では重すぎます。

腰が丸まるときは前傾を浅くするか、重さを落として腹を固めてから引いてください。

構える前に合わせること

  • バーの固定:床に置いたバーの端は、ランドマイン器具に奥まで差し込みます。ランドマインも専用マシンも無い場合は、この種目は行わず、ワンハンドダンベルロウなどで代えます。
  • 足の位置:バーをまたいで立ち、ハンドルが足の真ん中の真上か少し前に来る位置に立ちます。ハンドルが足より前にあると、引くたびに体が前へ引っぱられ、腰で支える形になります。
  • 前傾の角度と体格:股関節から45度前後が目安です。深く倒すと腰が丸まる人は、膝を少し曲げて上体を起こし、床から60度前後の浅めの角度で構いません。上体を起こすとハンドルとの距離も変わるので、ハンドルが足の真ん中の上に来るよう立ち位置を合わせ直します。
  • プレートの大きさ:大きいプレート(20kgプレートなど)を付けると、構えの高さやハンドルの形によっては、引ききる前にプレートが胸に当たって可動域が狭くなることがあります。小さいプレートを複数枚付けると、引く距離を最後まで使えます。

よくある崩れ

  • 背中より腕(力こぶ)や前腕ばかり疲れる:横から動画を撮り、引き始めの瞬間を見てください。肩甲骨が動く前に肘だけが曲がってハンドルが浮いていたら、腕で引き始めています。肩甲骨を寄せながら肘を後ろへ送る形に直します。引き始めに問題がなければ、ハンドルの握り込みすぎ(ストラップで補う)か、重量の重すぎ(落とす)を疑ってください。
  • 引くたびに上体が起き上がる:上体の反動で重りを動かしています。前傾の角度を保てる重さまで落としてください。
  • 腰が丸まる・腰が先に疲れる:前傾が深すぎるか、ハンドルが足より前にあります。前傾を浅くし、ハンドルが足の真ん中の上に来る位置に立ち直してください。
  • 首の付け根が張る:引く位置が胸の上まで高くなっているか、肩をすくめて引いています。みぞおち〜へその高さへ引き、肩を耳から遠ざけたまま引きます。
  • 引く距離が短い(プレートが先に胸に当たる):大きいプレートを付けているか、ハンドルが体から遠すぎます。小さいプレートに替えるか、半歩前に立ってハンドルを足の真ん中の上に置き直し、みぞおちまで引ききれる距離を確保してください。
  • 腕を伸ばしきった位置で背中が丸まる:下ろした位置で肩甲骨を開いて背中を伸ばすのは構いませんが、背骨ごと丸めて取りに行くと腰に負担が移ります。胸を張ったまま腕だけが伸びきる位置で次の1回に入ります。

呼吸と速さ

引きながら吐き、下ろしながら吸います。引く動作は1秒ほど、引ききった位置で一瞬止め、下ろす動作は2秒前後かけます。下ろすときに重さに任せて落とすと、腕が伸びきった瞬間に腰と肩へ衝撃がかかります。重い重量で回数を重ねるときも、下ろす速さだけは保ってください。

痛みが出たとき

  • 腰:前傾を保つ力が先に切れて背中が丸まっている可能性があります。重さを落とすか前傾を浅くし、それでも痛むなら胸をパッドに預けるマシン版や、シーテッドケーブルロウに替えてください。
  • 肘の内側・前腕:握り込みが強すぎるか、腕で引いている可能性があります。握りをゆるめ、ストラップを使ってください。
  • 肩の前:引ききった位置で肩が前へ巻き込まれていないか確認し、肩甲骨を寄せて胸を張った姿勢で引ききります。

どの痛みも、調整しても続く場合は自己判断で続けず、医療機関を受診してください。

片手で行う形と左右差

バーの先端を片手で握り、反対の手を膝に置いて行う片手版もあります。片手ずつなので左右差が分かりやすく、体がねじれないよう支える体幹の働きも加わります。両手で引いていると強い側が多く引いて差が見えにくいので、左右差が気になる時期は片手版を混ぜて、弱い側の回数に強い側を合わせてください。

重さの決め方と、伸び悩んだとき

初めての日は、バーだけかいちばん小さいプレートで1セット行い、前傾の角度と引く位置を覚えます。標準的なオリンピックバーはそれだけで20kgあり、固定した端が一部を受け持ちます。前傾を保つのがつらいなら、胸を預けるマシン版やシーテッドケーブルロウで背中で引く感覚を覚えてから戻ってください。次に、10回引けて、まだ2〜3回は余力が残る重さまで少しずつ足していきます。

重さが伸びない時期は、ハンドルを替えて、別の握りで同じ回数を引いてみてください。当たる場所が少し動くので、同じ重さでも背中への負荷の入り方が変わります。重さだけを追うと上体の反動で回数を稼ぐ形に崩れやすい種目なので、回数を数えるときも、上体の角度を保てた回だけにします。

使い終わったら

  • プレートを外し、バーの端を器具から抜くか、決められた位置に戻します。
  • ハンドル(Vハンドルなど)は、付属品の置き場所に戻します。
  • 床にバーを置いたままにすると、通る人がつまずくおそれがあります。

Tバーロウとは

Tバーロウは、床に固定したバーの片端を支点にして、反対の端に付けたハンドルを前傾した姿勢でお腹へ引き上げ、背中を鍛えるローイング種目です。胸をパッドに預けて引く専用マシン(チェストサポーテッドTバーロウ)や、普通のバーベルの端を差し込む器具(ランドマイン)を使う形も、ジムではまとめてこの名前で呼ばれています。ただし胸を預ける専用マシンでは前傾を自分で支えないため、このページで説明する前傾の保ち方や腰の負担は、主にランドマインなど胸を預けない形の話です。ティーバーロウと書かれることもあり、英語では T-Bar Row です。

おもに広背筋と肩甲骨まわり(僧帽筋の中部・菱形筋)で引き、腕の力こぶ側と背骨まわりの筋肉も使います。支点が床に固定されているぶん、バーベルを持ち上げて引くベントオーバーロウより軌道が安定し、重めの重量を扱いやすいのが特徴です。前傾した姿勢は自分で保つので、腰の負担は胸を預けるマシンより大きくなります。

背中の「厚み」を狙う種目として使われます。握るハンドルの形を変えると、当たる場所も動きます。

似た種目との使い分け

ベントオーバーロウは、バーの前後の揺れを自分で止めるために背中と体幹全体の力が要り、全身の力として鍛えたいときに向きます。Tバーロウは片端が固定されているので揺れが少なく、背中で引くことに集中しやすい種目です。胸をパッドに預けるマシン版は、前傾を保つ力も要らなくなるので、腰に不安がある日や背中の日の後半に向いています。

ワンハンドダンベルロウは片手ずつ引くので左右差を見つけやすく、腰の負担も小さくなりますが、扱える合計重量は小さくなります。両手で安定して重めに引きたい日はTバーロウ、片側ずつフォームや回数を確かめたい日はダンベル、という分け方ができます。どちらも背中の筋力・筋量を伸ばす種目として使えます。

ハンドルと握り方で、当たる場所を変える

  • 狭いVハンドル(手のひらが向き合う握り):肘が脇に沿って後ろへ動くので、脇の下から背中の外側(広背筋)に張りが出やすくなります。
  • 広いハンドルを順手で握る:肘が横に開くので、肩甲骨のあいだ(僧帽筋の中部・菱形筋)に張りが出やすくなります。
  • バーの先端を両手で直接抱える握り(ハンドルを付けない場合):手幅がとても狭くなり、Vハンドルに近い効き方になります。
  • どの握りでも広背筋と肩甲骨まわりは一緒に働きます。握りで変わるのは比重のわずかな差で、片方だけを分けて鍛えられるわけではありません。

この種目で期待できること

  • 両手で安定して重さを扱える。片手ずつのダンベルロウと違い、左右同時に引く動きで、背中の厚みに関わる広背筋・僧帽筋中部・菱形筋をまとめて鍛えられます。
  • 前傾を保つための背骨まわりの筋肉(脊柱起立筋)の関与。

長所・短所

この種目ならではの強み

  • 毎回同じ軌道で引ける:片端が床に固定されているので、ベントオーバーロウより1回ごとの動きを揃えやすい。
  • ハンドルで当たる場所を動かせる:狭いVハンドルなら背中の外側、広い順手なら肩甲骨のあいだに張りが出やすい。
  • 重めの重量を扱いやすい:軌道が支点で決まり、左右のバランスを取る負担が少ないぶん、フォームを保ったまま重さを足していきやすい。

弱みと、その付き合い方

  • 前傾を保つため腰への負担は残る:支点があっても、お辞儀の姿勢で上体を支える点はベントオーバーロウと同じ。疲れて背中が丸まったらそのセットを終える。
  • ランドマインか専用マシンが要る:どちらも無いジムでは、この形では組めない。
    こう付き合う:その日はワンハンドダンベルロウで片側ずつ引けば背中の日は回る。

ひとことで:両手で重めに引きたい背中の日に。背中が丸まる重さまでは積まないのがよい。

よくある質問

ランドマインロウと同じ種目ですか?
両手で引くランドマインロウは、このTバーロウと同じ動きです。バーの片端を床に固定し、もう片端に付けたハンドルを両手で引きます。片手で引く形のうち、バーに対して横向きに立ち、端を順手で握って肘を外へ張るものは、メドウズロウとして別のページで扱っています。
ハンドルの形で何が変わりますか?
手のひらを向かい合わせる狭いハンドルは、脇の下から背中の外側に張りを感じやすく、広く握って手のひらを下に向けると、肩甲骨のあいだに張りが出やすくなります。変わるのは比重の差で、どちらでも背中全体が働きます。
腰に来ます。
前傾を保つ力が先に切れています。前傾を浅くし、ハンドルが足の真ん中の上に来る位置に立ち直してください。それでも腰に来るなら、重量をさらに下げるか、胸を台に預ける形の種目へ替えてください。
ランドマインとTバーロウ専用マシンの違いは何ですか?
ランドマインはバーの端を差し込む器具で、普通のバーベルを使ってTバーロウの形を作れます。専用マシンは、ハンドルの位置や角度が決まっていて、胸をパッドに預けて引く型もあります。胸を預ける型は前傾を保つ力が要らないので、腰の負担が小さく背中だけに集中できます。そのかわり、前傾した姿勢を体幹で支える働きは小さくなります。
ジムに専用の器具がありません。どうすればいいですか?
ランドマイン器具も専用マシンも無い場合は、Tバーロウは行わず、ワンハンドダンベルロウなどで代えてください。片手ずつ引くので左右差を確かめやすく、腰の負担も小さくなります。両手で重めに引きたいなら、バーベルのベントオーバーロウも候補になります。
Tバーロウで扱う重量はどう数えますか?
固定した端が重さの一部を受け持つので、付けたプレートの重さがそのまま手にかかるわけではありません。手にかかる重さは前傾の角度とハンドルの位置で変わるため、ほかの種目の重量とは比べられません。記録するときは、付けたプレートの合計と、使ったハンドルを書いておくと比べやすくなります。
ベントオーバーロウとどちらを優先すればいいですか?
背中で引く感覚がまだつかめない段階や、重めの重量を安定して扱いたい時期はTバーロウ、背中と体幹をまとめて鍛えたい時期はベントオーバーロウが向いています。両方とも前傾を保つ種目なので、同じ日に重ねると腰が先に疲れます。どちらか1種目を主にして、もう1種目は別の日にするか、胸を預ける種目と組み合わせてください。
腰痛があってもできますか?
すでに痛みがある場合は、種目を選ぶ前に医療機関を受診してください。痛みがない人で腰の負担を減らしたいなら、胸をパッドに預けて引くマシン版のTバーロウが選択肢になります。

鍛えられる筋肉

主働筋: 広背筋・僧帽筋

協働筋: 上腕二頭筋・脊柱起立筋