リーンアウェイサイドレイズ
片手で柱や器具につかまり、柱から離れる方向へ体を傾けて、もう片方の手でダンベルを横へ持ち上げるサイドレイズ。腕が床と平行になる位置まで、重さを感じたまま持ち上げられます。
リーンアウェイサイドレイズは、こう動かす
効く場所:三角筋(あわせて働く:僧帽筋)
外せない点:
- つかまる物
- 足の位置と傾き
- ダンベルの位置
- 肩と首
やり方
構えをつくる
- つかまる物:ラックの支柱、マシンのフレーム、柱など、体重を預けても動かない物を選びます。ケーブルマシンの重りが上下する部分や、キャスター付きの器具はつかみません。目安:体を傾けて体重を預けても、つかんだ物がぐらつかない。
- 足の位置と傾き:つかまる物の横に、両足をそろえて立ちます。つかんだ腕を伸ばし、足を軸にして、柱から離れる方向、つまりダンベルを持つ側へ体を傾けます。傾きは解説によって15〜30度ほどが多く紹介されています。傾けるほど、重さがいちばんかかる位置が上へ移り、腕を下ろした位置は軽くなります。目安:足から頭まで体が一直線で、腰だけが横に折れていない。
- ダンベルの位置:ダンベルは力を抜いて垂らした位置から始めてかまいません。体を傾けているので、腕は体の線から少し外へ離れてぶら下がります。肘は軽く曲げ、その角度を動作中ずっと保ちます。目安:腕が体から少し離れた位置で、ダンベルが真下にぶら下がっている。
- 肩と首:ダンベルを持つ側の肩を耳から遠ざけ、首をすくめずに構えます。顔は正面に向け、頭も体と同じ角度で傾けます。目安:肩が上がっておらず、首の横に力みがない。
傾けた体のまま、横へ持ち上げる
体の傾きを保ったまま、肘から先に動かすようにダンベルを横へ持ち上げます。腕が床と平行になったところで止め、ゆっくり下ろします。体に対しては肩の高さより少し上まで上がりますが、それで正しい位置です。重さがいちばんかかるのもこの床と平行の位置なので、ここで反動を使わずに止められる重さを選びます。下ろすのは、腕が真下にぶら下がる位置まで。持ち上げながら体を起こしてしまうと、傾けた分の効果が薄れます
呼吸:持ち上げながら吐き、下ろしながら吸う
目安:持ち上げている間も体の傾きが変わらない。肩がすくまず、腕が床と平行より上へ行っていない
回数・重さの目安
- 筋肥大:12〜20回×2〜3セット(片側ずつ) 通常のサイドレイズより軽いダンベルで行います。どれだけ軽くするかは傾きの角度で変わるので、決まった割合はありません。最後の数回で体が起きてくるなら、重さを1段落とします。
- フォーム練習:軽い重量で12〜15回×2セット まず傾きを小さくして始め、腕が床と平行になる位置で重さを感じる感覚をつかみます。
- 肩の日の後半に:12〜15回×2セット ショルダープレスなどの押す種目の後に入れるのが一般的です。左右を1セットずつ交互に行うと、片側を休ませながら進められます。
- 伸び悩んだときの進め方:重さ以外に3本の軸がある ①傾きを少しずつ大きくする(30度ほどまで。大きくするほど上の範囲がきつくなり、肩の上に詰まりを感じやすくなります) ②下ろす局面を3秒かける ③腕が床と平行の位置で1秒止める。ダンベルを重くするのは、この3つを行っても体が起きなくなってからです。
安全とマナー
- つかまる物が動かないことを、体重を預ける前に確かめる
- 滑りやすい靴や靴下では行わない(体を傾けたときに足が滑ります)
よくある間違いと直し方
- 持ち上げるたびに体が起きてくる:重すぎるか、つかまっている腕が曲がっています。つかんだ腕を伸ばしたまま、傾きを保てる重さに落としてください
- 腕を体の線に沿わせ、下ろした位置で力を入れ続けている:体を傾けた姿勢で腕を体に沿わせると、腕を体へ引き寄せる筋肉が働くだけで、三角筋には重さがかかりません。下ろした位置では力を抜き、腕が体から少し離れてぶら下がる位置から持ち上げます
- 肩がすくんで首に力が入る:首の付け根の筋肉で持ち上げています。肩を耳から遠ざけたまま、腕が床と平行になるところで止めてください
- 腰だけが横に折れている:足から頭まで一直線のまま傾けます。足をつかまる物に近づけすぎると腰が折れやすいので、足の位置を調整してください
- 傾けすぎて、上げたときに肩が詰まる:傾けるほど、腕が床と平行になる位置は体に対して高くなり、肩の上に詰まりを感じやすくなります。15度前後から始め、痛みなく床と平行まで上げられる角度にとどめてください
痛みが出たときは
- 肩の上(腕を上げたとき)が痛いとき:この種目では、体に対して肩の高さより上まで腕が上がります。腕が床と平行を越えていないか、親指を下に向けて持ち上げていないかを確認してください。傾きを小さくしても痛む場合は中止し、医療機関に相談してください。
- 支えている側の手首・肩が痛いとき:体重を預けすぎて、支える側の手首や肩に負担が集まっていないか確認してください。傾きを小さくしても痛む場合は中止し、続くようなら医療機関に相談してください。
リーンアウェイサイドレイズとは
リーンアウェイサイドレイズは、片手で柱や器具につかまって柱から離れる方向へ体を傾け、もう片方の手でダンベルを横へ持ち上げるサイドレイズです。リーニングサイドレイズ、リーニングアウェイサイドレイズとも呼ばれ、英語では Lean-away Lateral Raise や Leaning Lateral Raise。lean away は「離れる方向へ傾く」という意味です。通常のサイドレイズでは、ダンベルの重さが肩にいちばんかかるのは腕が床と平行になったとき、つまり肩の高さまで上げたときで、そこで動作が終わります。柱から離れる方向へ傾くと、体はダンベルを持つ側へ倒れるので、腕が床と平行になる位置は体に対して肩の高さより上になります。20度傾ければ、体からおよそ110度開いた位置です。肩の高さを越えても重さを感じたまま上げられるのが、この種目の特徴です。そのかわり、腕を下ろした位置は通常のサイドレイズより軽くなります。腕を垂らすと、傾けた角度の分だけ体から離れてぶら下がり、そこでは三角筋にほとんど重さがかかりません。
この種目で変わること
- 腕が床と平行になる位置で重さがいちばんかかるので、体に対しては肩の高さより上の範囲まで、三角筋の中部に負荷をかけられる
- 片手ずつ行うため左右の差に気づきやすく、反対の手で体を支えている分、体を揺すって持ち上げにくい
- 軽いダンベルでも三角筋の中部に負荷をかけやすい
- ただし、通常のサイドレイズより肩が大きくなる、と比べて確かめた研究は見当たりません
まだ難しいときは
似た効果の種目
長所・短所
この種目ならではの強み
- 肩の高さより上まで重さが乗る:体を傾けると、腕が床と平行になる位置が体に対して高くなり、通常のサイドレイズより上の範囲まで三角筋の中部に負荷をかけられる。
- 体を揺すって持ち上げにくい:片手で体を支えて傾いているので、反動で持ち上げる動きが出にくい。
- ダンベル1個でできる:つかまる物があれば、ケーブルマシンが空いていなくても行える。
弱みと、その付き合い方
- 片側ずつなので時間がかかる:左右を別々に行うため、同じセット数でも通常のサイドレイズより時間がかかる。
- つかまる物が要る:体重を預けても動かない柱や支柱が、近くに必要になる。
こう付き合う:つかまる物が無ければサイドレイズを、下ろす局面をゆっくりにして行う。 - 下ろした位置は軽くなる:腕を垂らした位置では三角筋にほとんど重さがかからず、通常のサイドレイズより軽い範囲が広がる。下の範囲で重さをかけたいならケーブルサイドレイズのほうが向いている。
ひとことで:体を傾けて、肩の高さより上の範囲まで三角筋に重さを乗せる。軽いダンベルで、腕が床と平行になるまで上げる。
よくある質問
- 通常のサイドレイズと何が違いますか?
- 持ち上げる動きは同じで、違うのは体の傾きです。通常のサイドレイズは、腕が床と平行になったとき、つまり肩の高さまで上げたときに重さがいちばんかかり、そこで動作が終わります。柱から離れる方向へ体を傾けると、腕が床と平行になる位置は体に対して肩の高さより上になり、20度傾ければ体からおよそ110度開いた位置になります。そのかわり、腕を下ろした位置は通常より軽くなります。どちらが優れているかより、重さのかかる範囲が上へずれた種目と考えてください。
- ケーブルサイドレイズとどちらがいいですか?
- ケーブルは、滑車を低くして体の反対側から引くと、腕を下ろした位置から重さがかかり、ダンベルでは軽くなる下の範囲を補えます。リーンアウェイサイドレイズは逆に、下の範囲は軽く、肩の高さより上の範囲まで重さが乗ります。重さのかかる範囲が違うので、どちらが上というより、目的で使い分ける種目です。ケーブルが空いていないときに、ダンベル1個とつかまる物でできるのもこの種目の利点です。なお、ケーブルを使って体を傾けるやり方もあり、これもリーンアウェイと呼ばれます。
- リーニングサイドレイズと同じですか?
- 同じ種目です。lean away を訳した名前と leaning を訳した名前が混在していて、リーンアウェイサイドレイズ、リーニングサイドレイズ、リーニングアウェイサイドレイズのほか、サイドレイズの代わりにラテラルレイズを使った呼び方もあります。日本語の解説では「リーニングサイドレイズ」がよく使われています。
- 体はどのくらい傾ければいいですか?
- 解説では15〜30度ほどが多く紹介されています。傾けるほど、重さがいちばんかかる位置が上へ移り、腕を下ろした位置は軽くなります。そのぶん、腕が床と平行になったときの肩の角度も大きくなり、肩の上に詰まりを感じやすくなります。最初は15度前後の小さめの傾きで始め、痛みなく床と平行まで上げられる角度にとどめてください。傾けすぎて腰が横に折れるなら、角度を戻します。
- 重さは通常のサイドレイズより軽くするのですか?
- 軽くします。片手で行ううえ、肩の高さより上の範囲まで重さを持ち上げることになるので、いつもと同じダンベルでは途中で体が起きてきやすくなります。どれだけ軽くするかは傾きの角度で変わるので、最後の数回まで傾きを保てる重さを選んでください。
- どこにつかまればいいですか?
- ラックの支柱、マシンのフレーム、柱など、体重を預けても動かない物です。ケーブルマシンの重りが上下する部分、キャスター付きの器具、ドアの取っ手はつかまないでください。自宅なら、しっかり固定された柱や手すりが使えます。
- 通常のサイドレイズより肩に効きますか?
- よく効くと断定はできません。体を傾けると重さのかかる範囲が上側へずれる、というところまでは力学で説明できますが、通常のサイドレイズと比べて肩が大きくなったかを確かめた研究は見当たりません。肩の高さより上の範囲まで負荷をかけたいとき、サイドレイズのやり方を増やしたいときの選択肢として使ってください。
- 初心者がやってもいいですか?
- 通常のサイドレイズで、肩をすくめずに肩の高さまで持ち上げられるようになってからが向いています。片手で体を支えながら、もう片方で持ち上げるので、通常より気をつける点が増えます。始めるときは軽いダンベルで、傾きを小さくしてください。
- メニューのどこに入れればいいですか?
- 肩の日なら、ショルダープレスなどの押す種目の後に入れるのが一般的です。ほかのサイドレイズと組み合わせるなら、下の範囲で重さがかかるケーブルサイドレイズと、上の範囲まで重さが乗るこの種目を同じ日に入れると、重さのかかる範囲を分けられます。
- 左右の回数はそろえたほうがいいですか?
- そろえてください。弱いほうの側から始め、そちらでできた回数に強い側も合わせると、左右の差が広がりにくくなります。