スパイダーカールのフォームイメージ
SPIDER CURL

スパイダーカール

腕(上腕二頭筋) 難易度:中級 💪 ダンベル
Spider Curl
💪 ダンベル 難易度:中級 腕

インクラインベンチにうつ伏せで行うカール。上体を台に預けるため反動を使いにくく、腕を曲げた側で負荷が抜けにくい種目です。

スパイダーカールは、こう動かす

効く場所:上腕二頭筋

外せない点:

  • ベンチの角度と体勢
  • ダンベルの構え
  • 体格によるベンチ角度と胸の位置の調整
  • ベンチが無いときの構え
  • 手のひらの向き

やり方

構えをつくる

  1. ベンチの角度と体勢:インクラインベンチを45〜60度に設定し、うつ伏せになる。胸から下腹部あたりを背もたれに預ける。目安:肩がベンチの上端付近、腕は床に向かってまっすぐ垂れ下がる位置。
  2. ダンベルの構え:腕を完全に伸ばした状態でダンベルを両手または片手で持つ。目安:肘が真下を向き、体(ベンチ)より前に出すぎていなければ合っている。
  3. 体格によるベンチ角度と胸の位置の調整:背が高い人や腕が長い人は、45度ではダンベルが床に当たることがあります。その場合は角度を60度前後に上げるか、ベンチの上端から胸を少し前に出して預けます。逆に背が低い人は、角度を上げすぎると脇の下がベンチの上端に食い込むので、45度前後にとどめます。目安:腕を伸ばしきったとき、ダンベルが床に触れず、脇の下にベンチの角が食い込んでいない。
  4. ベンチが無いときの構え:インクラインベンチが無い場合は、上体を前に倒して片手を膝や台につき、反対の腕を真下に垂らして行う形でも近い姿勢が作れます。上体を支える面がないぶん、反動を使わないよう自分で止める必要があります。目安:動作中、上体が起き上がったり揺れたりしないか。
  5. 手のひらの向き:基本は手のひらを上(体の前)に向けて握ります。手首や肘の内側が痛む人は、手のひらを向かい合わせた握り(ハンマーグリップ)で始め、巻き上げながら少しずつ手のひらを上に向けていくと、肘への負担を抑えながら二頭筋を使えます。目安:巻き上げきった位置で、小指側が親指側より少し高くなるくらいまで手のひらが上を向いている。

巻き上げる・戻す

肘の位置を動かさず、前腕だけを弧を描くように巻き上げる。トップで一瞬収縮を感じたら、ゆっくり下ろし、肘が伸びきる少し手前で切り返す。動きを確かめるために一度伸ばしきるのは構わないが、そこで休まない

呼吸:巻き上げながら息を吐き、下ろしながら吸う

目安:肘の位置は最後まで同じ。体を反らせたり肩をすくめたりする反動もなし

回数・重さの目安

  • 筋肥大:10〜15回 × 3セット ダンベルカールより軽い重量になるのが普通で、数字は追わない。重さが上がらない時期は、肘を90度前後に曲げた位置で1〜2秒止めると、同じ重さのまま負荷を足せる
  • 種目の仕上げ(追い込み):12〜20回 × 2〜3セット 他の腕種目の最後に行うと、腕を曲げた側で二頭筋を追い込みやすくなります。
  • 引き締め・持久力:15〜20回 × 2セット 軽い重量でテンポよく。可動域を最後まで使い切ることを優先する

安全とマナー

  • ダンベルを持ったままベンチに乗り降りしない。先にベンチにうつ伏せになり、床に置いたダンベルを拾ってから始める
  • セットを終えるときは、ダンベルを床に下ろしてから体を起こす(持ったまま起き上がると肩と腰に負担がかかります)

よくある間違いと直し方

  • 力こぶより前腕や肩の前が先に疲れる:前腕が先に疲れるなら、まず手首を見てください。巻き上げる途中で手首を手のひら側に曲げると、前腕にも余計な力が入ります。手首はまっすぐに保ち、肘を動かさずに前腕だけを巻き上げます。肩の前が疲れるなら、巻き上げながら肘が前へ出て、肩の前(三角筋前部)が腕を持ち上げています。ほかのカールと同じ重さを持っている場合も、二頭筋以外で補う形になりやすい種目です
  • 重すぎて途中で止まる・可動域が狭くなる:重量を追う種目ではありません。曲げきる位置まで上げられる重さまで、思い切って落としてください。肘を深く曲げた範囲まで負荷が続く種目なので、そこまで届かないと効かせたい範囲を捨てることになります
  • トップで肩がすくむ・首が前に出る:肩がすくまないようにして、肘から先だけを動かします。すくむなら重量が重すぎます
  • ベンチから胸が浮いて反動をつける:胸をベンチに密着させたまま行います。浮く場合は角度が急すぎるか重量が重すぎるので調整します
  • 下ろす局面が速い:下ろす動作に2〜3秒かけ、ダンベルの重さに任せて落とさないようにします
  • ダンベルが床やベンチの脚に当たる:ベンチの角度が低すぎるか、胸の位置が低すぎます。角度を1段上げるか、胸をベンチの上端から少し前に出して預けてください。当たるたびに負荷が抜け、手首にも衝撃がかかります
  • 左右で上がり方が違う:両手同時に行うと、強い側に合わせて重さを選びがちです。片手ずつ行い、弱い側の回数を強い側の上限にしてください
  • 伸ばしきった位置で毎回ダンベルが止まり、休んでしまう:この種目は腕を伸ばした位置で負荷が軽くなるので、そこで止まると二頭筋の緊張が途切れます。張りを保ちたいなら、肘が伸びきる少し手前で切り返し、次の1回にそのまま入ってください。止まらないと上げられない重さなら、1段軽くします

痛みが出たときは

  • 肘が痛いとき:可動域の下端(伸ばしきる位置)で反動的に止めていないか確認し、伸ばしきる直前で少し余裕を残します。痛みが続く場合は中止し、整形外科などの医療機関を受診してください
  • 肩(すくみによる違和感)が痛いとき:肩がすくまずに挙げられる重量まで落とす。すくんだ状態で挙げ続けると首や肩に負担が蓄積する
  • 脇の下・胸が痛いとき:ベンチの上端が脇の下や胸に食い込むと、しびれや痛みが出ることがあります。胸の位置を少し下げるか、上端にタオルを当ててください

スパイダーカールとは

スパイダーカールは、角度をつけたインクラインベンチにうつ伏せで胸を預け、腕を真下に垂らした状態からダンベル(またはEZバー)を巻き上げて、上腕二頭筋を鍛えるアームカールの一種です。英語でも Spider Curl と呼ばれますが、名前の由来ははっきりせず、専用台「スパイダーベンチ」で行ったことから、という説明が多く見られます。胸を台に預ける形から、チェストサポーテッドカール、スパイダー・カールと書かれることもあります。上体をベンチで支えるので、体を反らせて反動をつける動きがしにくく、腕を曲げた側で負荷が抜けにくい種目です。負荷が最も強くなるのは肘を90度前後に曲げたあたりで、腕を伸ばした位置ではダンベルが肘の真下にぶら下がるだけになり、負荷がほぼ抜けます。

この種目で変わること

  • 上腕二頭筋の筋力・筋量の向上:上腕を体の前に出した姿勢で肘を曲げるので、肩側で短くなった上腕二頭筋に負荷をかけられます
  • ほかのカールとの組み合わせで負荷の偏りを埋める:二頭筋が引き伸ばされた位置で負荷をかけられるインクラインカールなどと組み合わせると、可動域全体に負荷をかけられます

まだ難しいときは

似た効果の種目

長所・短所

この種目ならではの強み

  • 曲げた側で負荷が抜けにくい:負荷の山は肘90度前後。そこから先は少しずつ軽くなるが、立って行うカールと違い、曲げきる手前でもまだ重さが残る。
  • 反動も肘のぶれも出にくい:胸を台に預けて腕を垂らすので上体を反らせて助けにくく、立って行うカールより肘の位置も保ちやすい。

弱みと、その付き合い方

  • 伸ばした位置では負荷が軽い:腕を下ろしきると負荷が抜ける。
    こう付き合う:伸ばした位置の負荷はインクラインダンベルカールに任せるのがよい。
  • 台の角度を作れないと成立しない:腕が垂直に垂れる高さの台が要る。環境によっては組めない。
  • 扱える重量は小さい部類:反動も体幹の助けも使えないので、数字はバーベルカールに大きく劣る。

ひとことで:カールを2〜3種目組む日なら、後半に回したい。

よくある質問

プリーチャーカールとどちらが優先ですか?
負荷がかかる位置が違います。スパイダーカールは腕を曲げた側で負荷が抜けにくい種目です。プリーチャーカールはベンチの角度や器具で負荷のかかり方が変わりますが、腕を伸ばした側にも負荷をかけやすい形があります。筋肉が引き伸ばされた位置で負荷をかけるほうが筋肥大に有利な可能性を示す研究があるので、1種目だけ選ぶなら、インクラインカールなど、二頭筋が引き伸ばされた位置で負荷をかけられる種目が候補になります。スパイダーカールは、腕を曲げた側の負荷を補う種目として組み合わせる方法があります。
毎回重量が全然上がらないのですが問題ないですか?
問題ありません。反動も体幹の助けも使えない姿勢なので、他のカールより軽い重量になるのが普通です。重さより、曲げきる位置まで反動なしで上がるかを見てください。
片手ずつと両手同時、どちらが良いですか?
左右差が気になるなら片手ずつ、時間を詰めたいなら両手同時です。片手ずつのときは弱い側から始め、その回数を強い側の上限にします。
ベンチの角度は何度がいいですか?
45〜60度が目安です。腕を真下に垂らす限り、角度を変えても負荷が最も強くなる位置(肘90度前後)はほとんど変わりません。変わるのは腕と胴体の角度で、低いほど腕が体の前に出ます。角度は、ダンベルが床に当たらず、脇の下が食い込まない位置で決めてください。
腕を伸ばした位置で張りを感じないのは普通ですか?
普通です。この姿勢では、腕を伸ばすと重さが肘にぶら下がるだけになります。張りを確かめるなら、肘を90度前後から深く曲げた範囲で、力こぶが硬く盛り上がっているかを見てください。そこで前腕だけが疲れるなら、手首を巻き込んでいます。
ダンベルとEZバー、どちらで行えばいいですか?
ダンベルは左右が独立しているので、手のひらの向きを自由にでき、左右差も分かりやすくなります。EZバーは両手で一本を持つため重めの重量を扱いやすく、手首の角度も楽です。片手ずつ行いたいならダンベル、重さを記録して伸ばしたいならEZバー、と選んでください。
インクラインカールとの違いは何ですか?
インクラインカールは、ベンチに仰向けにもたれて腕を体より後ろに垂らします。スパイダーカールはうつ伏せで腕が体より前に出ます。どちらも腕を真下に垂らすので負荷の山(肘90度前後)は同じですが、インクラインカールは二頭筋が引き伸ばされた状態、スパイダーカールは肩側で短くなった状態で動かす、という点が逆です。
インクラインベンチが無いときは何で代わりになりますか?
上体を前に倒して片手を台につき、反対の腕を真下に垂らして片腕ずつ巻き上げる形(前傾したワンアームカール)が代わりになります。肘を太ももに当てるコンセントレーションカールとは別物で、肘をどこにも当てず腕を真下に垂らしたまま行うのが、スパイダーカールに近づけるポイントです。ただし置き換えると、胸をベンチに預けることで反動を止める要素が失われます。上体が起き上がらないよう自分で止める必要があり、重さを上げるほど反動が入りやすくなります。
腕を太くするなら、この種目だけで足りますか?
この種目は伸ばした位置での負荷が軽いので、1種目だけで二頭筋を鍛えるには向きません。重さを伸ばしやすいバーベルカールやEZバーカール、伸ばした位置で効くインクラインカールと組み合わせ、スパイダーカールは2〜3種目めに置くと、それぞれの弱いところを補い合えます。
何kgのダンベルから始めればいいですか?
目安は2〜4kg程度ですが、体格や経験で差が大きいので、曲げきる位置まで反動なしで上がる重さを優先してください。軽いダンベルでも十分に負荷がかかる種目です。

鍛えられる筋肉

主働筋: 上腕二頭筋